『氷都物語』 第10話 ディレクトールはお転婆
空馬に怪我なし
怪我の功名
生兵法は怪我のもと
怪我が付く諺を集めてみました。
どうも、ディレクトールのかいるです。
ワタクシ、なんせお転婆でした。
そして、腸が弱かった。
小学校1年生。
体育館に鉄棒がありました。
体育館は学年別に使える曜日が決まっていて、
低学年、中学年、高学年と別れていました。
さて、ワタクシはそれなりに運動神経も良くお転婆でした。
そしてもう一つ特徴があります。
好きな事はずっと続けてしまうのです。
その日もワタクシは大好きな鉄棒にぶら下がり、揺ら揺ら揺れていました。
ただ揺れていただけでございます。ですが、それがとっても楽しかったのです。
ところが、所詮は小学校1年生。
腕力も握力もそんなにありません。
自分の思う身体の限界と、実際の身体の限界には差がありました。
ワタクシが、そろそろお手手が疲れてきたから止めようかなぁと思った時には、もう既に限界を超えていました。
身体が後ろに揺れた瞬間、ワタクシの手は鉄棒から離れ、ワタクシの身体は水平のまま床に落ちたのでございます。
その時に、胸に衝撃があり一瞬息が出来ませんでした。
そして次の瞬間。泣きましたならば、口の中から何やらヌメヌメと生暖かい液体がダラリと出て来るじゃありませんか。
そう。血液。
落ちた衝撃で、上の歯で下唇をザックリ切ったのでございました。
直ぐさま母が呼ばれて、病院直行コース。
何針か縫われ、ブックリと腫れたのでございました。
それでも鉄棒が大好きなワタクシ。
次の体育館使用日に体育館に行きましたならば、そこには鉄棒がありませんでした。
とっても悲しかったのを覚えております。
大人になりました今、事情は推測できますが、子供の方は、実は遊びたいんだよと伝えたいものです。
小学校2年生。
お家の近くに公民館がありました。そして、図書館が併設されておりました。
その図書館は、床下が潜れるようになっておりました。
コンクリートで壁が作られているのですが、
下は隙間があって通れる様になっております。
今にして考えてみますと、キューブ状の空間が沢山あったのだと思います。
潜って次の空間へ進んで、また潜って次の空間へ進んでと繰り返しているうちに、
あ〜ら不思議。
その空間は宇宙船になりました。
そうなると、敵基地です。
脱出しなければなりません。
結構奥へ進んでしまいましたから、視界も暗いです。
ワタクシはその空間を走り、コンクリートの壁の前で止まり、下の隙間を潜ってどんどん外に近づいて行く、を繰り返しておりました。
そう。コンクリートは、あの場面の様に、脱出する時に上から降りてくる扉になっていたのでした。
さてここで、ワタクシは自分の運動能力を過信してしまいます。
なんせ暗いので、そして子どもですので、徐々に走るスピードも上がっている事に気が付きませんでした。
そして次の瞬間。
バーンと顔に衝撃が走りました。
ええ。これが有名な「顔面コンクリート事件」です。
衝撃と痛みに驚いて泣き出したのですが、顔を涙とはまた別のヌメヌメとした生暖かい液体が覆いました。
そう。血液。
鼻の付け根をザックリと切りました。
一緒に遊んでおりましたお友達が、ワタクシの母を呼びに行ってくれて、お決まりの
「病院直行コース」です。
因みにこの時は、4針縫いました。
小学校3年生。
その当時、家の車庫は木で作られておりました。
子供ですから、家の周りをぐるぐると回って遊びます。丁度、車庫の所で休憩と思っておりましたならば、古い木が手のひらに刺さったのです。
ところが、手のひらのお肉がたっぷりの所に平行に刺さりましたので、そんなに痛みも強くありません。
手のひらに2センチくらいの細長い線が書かれてある様な感じです。
「なんだ、汚れただけかな」
そう思って、手を洗いましたが取れません。中々頑固な汚れだわね。
と思って数日後。
やっぱり痛いわ。という事で母に伝えましたならば、病院に連れていかれまして、
その場で「切開」
そうです。木の破片が手に刺さり、しかも中に入ったまま傷口が閉じてしまったので、一度切り開いて破片を取り除かなければなりません。
そのままにしておくと、中で破片が腐ってたよ。とお医者の先生に言われたのでございました。
小学校4年生。
プールは楽しいものでございます。
ですが、先生の注意は守らなくてはいけません。何故なら、危険だから先生は注意をするのです。
あまりに楽しくて先生の注意を守らなかったワタクシ。
プールサイドを走って移動しておりました。
その時です。
転びました。
何故転んだのか。
それは、左足の小指の爪がプールサイドの床に引っかかってしまったのです。
当然、小指の爪が剥がれました。
遊ぶどころではありません。
直ぐに、痛いのを我慢して家に帰りました。
何故、先生に言わなかったのか。怒られるのが嫌だったからでございます。
またしても、母に連れられて「病院直行コース」です。
手当をしてもらい、諸注意を受けました。
小指の爪が生えて来るまでは、サンダルで登校して運動はしないように。と。
病院の先生の注意も守りましょう。
なんせお転婆でしたから、痛みが引いたらなんのその。包帯を巻いたまま、ズックを履いて元気に走り回ってしまいました。少しばかりの痛みはアドレナリンが消してくれます。
現在、ワタクシの左足の小指の爪は山なりに生えています。厚く盛り上がってしまったのです。もう治りません。
まぁ、痛みはないので良しとしましょう。
小学校6年生。
その日は父親が飲み会で出かけておりました。
父はお酒に強く、お酒は飲んでもお酒に飲まれる事がありません。
ですが珍しくグデングデンに酔っ払って帰ってきました。
話が全然通じない父に腹を立てたワタクシは、玄関のドアを思いっきり締めました。
その時です。
右手の小指に身体の芯まで冷える衝撃が走りました。
絶対に−273.15度まで下がりました。
何は無くとも泣くしかありません。
だって、すんごいすんごい痛いんだもの。
ワタクシの悲鳴のような鳴き声を聞きつけた母。
見に来ましたならば、ワタクシの右手の小指の爪がぐちゃぐちゃに潰れているではありませんか。
病院が開いている時間ではありませんでしたので、行きつけの病院に電話をしてから、例の「病院直行コース」となりました。
この時は、キチンと病院の先生の注意を守りましたので、ワタクシの右手の小指の爪は綺麗に生えております。
神外科の神先生。
お世話になりました。
天国で見守っていて下さい。
怪我はお友達のような小学生でした。
次回は、腸が弱かったお話しをしたいと思います。
(最初に書いてありましたが、怪我のお話が長くなったので、次回に持ち越したいと思います)
それではまた。良い一日を。。